甘酸辛苦
“甘酸辛苦”の順番に味覚は発達するなんて言われますが、大人になると辛い食べ物や苦い飲み物がやけに好きになったりします。私もそのうちの一人でありますが、甘いものも好きですし、酸っぱいものもどちらかというと好みであったりします。
と、ここまでは人の味覚の話。
味覚だけじゃなくて日々の生活でもこの甘酸辛苦を繰り返してたりするんじゃないかなと個人的に思うのですが(いやそんなことは無い!という意見もあるとは思います)、私は日々の甘酸辛苦こそが人を育てるんじゃないかなと思ってます。甘い経験だけで生きる人はそういないでしょうし、苦い経験だけではどこか偏った見方、考え方しかできなくなってしまう気もします。
私が自ら本格的に農業を始めて2年と少しが経ちました。果樹農家としておいしい果物すをつくって、皆様にお届けすることがざっくりとした目標であり役割だと思っています。
果物は甘酸のある食べ物です。私含めたまかなえ果樹園で働く人はこの甘酸のあるおいしい果物をつくるために日々頑張っています。
まだ万全の体制とはいえず、成長の途中ですが試行錯誤してより良い農業を目指しています(より良い農業=三方よしの農業)
そんな中にも自然は力を貸してくれたり、厳しく立ちはだかったりします。
全国の果樹産地では様々な自然災害や天候不順による障害がありますが、まかなえ果樹園のある青森県弘前市、岩木山麓津軽平野もそうです。災害は避けられない場合が多いですし、自然の中にいるからこそ向き合わなければいけません。
数日前、雹による被害がありましたが、広域によるものというよりはスポット的な被害であったようです。その中でも被害の程度は様々で当園も一部で少なからず被害がありました。
この報告は、私達がかわいそうだとか言うことではありません。このような自然の中でもおいしい果物をつくっていくんだというちょっとした決意表明のようなものです。
もちろん今思うことではなく、農業をはじめる段階でこの気持ちは持っていたのですが、このようなタイミングが訪れたので記録に残してみました。
甘酸辛苦でいう“辛苦”の部分ですが、毎年いろんな形で訪れることです。今は雹という形であらわれましたね。そしてまだシーズンは半ばです。
あるものを大切に、工夫して、場合によっては大きく変化させることも必要です。それは栽培様式、品目、販売方法、ライフスタイルと何から何まで。それでもおいしい果物へ続く道を考えます。
被害から数日、りんごに雹があたった部分の皮を削るとコルク化が進んでいました(さらにコルク化が進んでいるものもあり、乾いて茶色くなっています)これは腐らずに自己修復で生長を続けようとしている証拠だと思います。りんごも辛苦を乗り越えようとしているんだなと感慨深い気持ちになります。
被害の程度によりますが、秋には実が窪んでいたりイビツでも、皮を剥けば普通においしく食べられます。辛苦を乗り越えて甘酸をお届けできるはずです。
昨年、お客様にお届けする果物に同梱したポストカードです(今年もつくります)。写真は岩木山の紅葉が始まり、りんごも色づき始めるところ。ちょうど風景写真の園地が今回の被害園地でした。諦めずに頑張ります。
やりたい事、つくりたい果物たくさんあます。果物と一緒にいろんな経験をして乗り越え、おいしい果物をお届けできるようになれたらと思っています。LIVE FRUITYはまかなえ果樹園の取り組みですし、私個人の活動だったり、人生のテーマであったりします。
これによってうまれる果物が三方よしの果物であれば最高です。
最後にこの度雹害にあわれた農家の皆様にお見舞い申し上げます。より良くより強くなれますように。
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